【改正派遣法のポイント解説①】 日雇派遣の原則禁止
2012/10/05
10月に入って改正派遣法が施行され、実務で悩む方も増えています。
今日からは、それぞれの改正点について、ポイントを絞って解説します。
第1回は、日雇派遣の原則禁止です。
ここでいう「日雇派遣」とは、「日々または30日以内の期間を定めて雇用する派遣労働者」。
日々雇用の人だけでなく、30日以内の期間雇用者は、すべて「日雇派遣」です。
また勘違いされる人も多いのですが、禁止されるのはあくまで日雇「派遣」ですから、日雇労働者を雇用すること自体はまったく問題ありません。
日雇禁止を受けて、1日単位で直接雇用の労働者を紹介する「日々紹介」も、脚光を浴びつつあります。
そして、日雇派遣禁止には、例外があります。
①60歳以上の高齢者
②昼間学生
③年収500万円以上の生業とは別の副業
④世帯収入500万円以上で主たる生計者以外
しばしば質問を受けるのが、③④です。
いずれも「500万円以上」という要件ですが、意味がまったく違います。
③は、1年分の主たる業務の収入が500万円以上の場合。ここには、派遣就業の収入は含みません。
④は、生計を一にする家族の1年分の収入の合算が500万円以上の場合。
ひとつの勤務先で500万円か、世帯全体で500万円か。違いは大きいですね。
ここでの大きな問題は、収入要件を派遣先がどうやってチェックするか。
所得証明書や源泉徴収票で確認するわけですが、やむなく本人が用意できない場合もあるはずです。
そうした場合は、合理的な理由があれば、本人からの本人からの申告があればよいとされています。
会社が本人に「書類を確認させてください」といって、どうしても応じてくれないときは、誓約書によって代えることは可能なのです。
あと、よくある質問としては、「派遣期間が31日で、特定の曜日だけ就業する場合はどうか?」というものがあります。
このケースは、現在のところ適法だと理解されています。
契約が31日でも、結果的に数日しか勤務しないような例は禁止に該当するとされていますので、曜日特定のケースはほとんど唯一の例外ですね。
契約期間が反復継続されてきても、最後の契約が30日以下であれば違法になるので、注意していきたいものです。